公益認定のコンサルティング費用は数十万〜数百万。優遇税制への投資?
「社会の役に立つ活動を、もっと大きく、安定的に続けていきたい」
「寄付金や補助金を受けやすくして、活動の幅を広げたい」
「何より、非課税で公益活動に専念したい」
そんな想いから、一般社団法人や一般財団法人から公益社団法人や公益財団法人(両者を合わせて公益法人といいます)へのステップアップを検討されている方も多いのではないでしょうか。
しかし、その道のりは決して平坦ではありません。公益認定の申請は非常に複雑で、法律や会計の専門知識が不可欠なため、コンサルタントのサポートなしに進めるのは極めて困難です。
そこで、まず気になるのが「コンサルタントに頼むと、一体いくらかかるのか?」という費用面でしょう。
結論から言うと、コンサルタントへの依頼費用は、法人の規模や状況、依頼する内容によって大きく異なり、総額で数十万円から、場合によっては数百万円に及ぶこともあります。
「そんなに高いのか…」と驚かれたかもしれません。
しかし、この費用は単なる書類作成の代行料ではありません。法人の組織や事業そのものを、国が定める厳しい基準に適合させるための「コンサルティング費用」であり、非課税という大きなメリットを獲得するための重要な「投資」なのです。
この記事では、公益法人を目指すあなたが最適な判断を下せるよう、以下の点を詳しく解説していきます。
- なぜコンサルティング費用は高額になるのか?その理由
- 行政書士、税理士などコンサルタント別の費用相場とサービス内容
- 費用を抑え、賢く認定を目指すためのポイント
費用への不安を解消し、自信を持って第一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。
なぜ公益認定の申請費用は高額になるのか?
コンサルティング費用が数十万~数百万円と高額になるのには、明確な理由があります。
それは、公益認定のプロセスが、私たちが想像する以上に「複雑」で「専門的」だからです。

費用は、この困難な道のりを乗り越えるための対価なのです。
理由1:クリアすべき「公益認定基準」が複雑すぎる
公益法人として認定されるには、法律で定められた厳格な公益認定基準をすべて満たす必要があります。これらは、大きく分けて以下の3つの側面から、法人のあり方を厳しく審査するものです。
公益性に関する基準
- 事業内容が「不特定かつ多数の者の利益」に貢献しているか?
- 公益目的の事業が、法人全体の事業の50%以上を占めているか?(公益目的事業比率)
- 公益目的事業の収入と費用が適切なバランスを保っているか?(収支均衡)
- 公益目的事業を継続的に実施できる財政基盤があるか?
ガバナンス(組織運営)に関する基準
- 理事や監事の構成は適切か?親族などが理事全体の3分の1以下になっているか?
- 役員への報酬は、不当に高額でないか?支給基準が明確に定められているか?
- 特定の個人や団体に「特別な利益」を与えていないか?
- 内部統制やコンプライアンス体制が整備されているか?
経理的基礎・技術的能力に関する基準
- 公益目的事業を継続して行うための財産的基盤があるか?
- 事業を行うための専門知識や能力、体制が整っているか?
- 適正な会計処理が行われる体制が整備されているか?
いかがでしょうか。これらの基準を満たすには、単に書類を整えるだけでなく、定款の変更、事業計画の抜本的な見直し、役員構成の変更、会計処理方法の変更など、法人の根幹に関わる改革が必要になるケースが少なくありません。
特に、非課税のメリットを享受するためには、これらの基準を完璧にクリアする必要があるため、コンサルタントの支援が不可欠となるのです。
理由2:申請手続きが長く、専門的な対応が求められる
申請手続きそのものも、一筋縄ではいきません。
膨大な量の専門書類
申請書に加え、事業計画書、収支予算書、財産目録、各種規程、そして「公益認定基準に適合することを証明する説明書」など、作成すべき書類は多岐にわたります。これらは単なる作文ではなく、法的な整合性や会計的な正確性が厳密に問われる専門文書です。
長い準備・審査期間
一般的に、申請の準備から認定取得までには早くても1年程度かかると言われています。準備に6ヶ月〜1年、行政庁の審査に標準で4ヶ月、場合によってはそれ以上かかることもあります。
行政庁との折衝・補正対応
申請書類を提出したら終わりではありません。審査の過程で、行政庁から内容について質問されたり、書類の修正を求められたりする「補正対応」が頻繁に発生します。このやり取りには、行政側の意図を正確に汲み取り、的確に対応する専門的なノウハウが不可欠です。
つまり、コンサルティング費用は、これら①基準適合のためのコンサルティング、②専門的な申請書類の作成、③長期にわたる行政庁との折衝、という3つの重要な役割に対する対価なのです。
どこに頼む?コンサルタント別の費用相場とサービス内容

それでは、具体的にどのようなコンサルタントに、いくらで依頼できるのでしょうか。
ここでは、代表的なコンサルタントごとに、費用の相場と主な業務内容を見ていきましょう。
費用に大きな幅があるのは、サービスの「範囲」と「深度」が事務所によって異なるためです。
行政書士:申請手続きのプロフェッショナル
行政書士は、行政への許認可申請の専門家です。公益認定申請における書類作成や提出代行、行政庁との窓口業務を主導します。
費用相場
| 月額制 | 月額 5.5万円 ~ 20万円 |
|---|---|
| 一括制(プロジェクト型) | 80万円 ~ 275万円 |
主な業務内容
- 公益認定申請書類一式の作成、代理申請
- 行政庁との折衝、補正対応
- 認定の土台となる定款の変更案作成
- 認定後の定期提出書類の作成サポート
- 非課税要件を満たすための組織体制のアドバイス
ポイント
月額制は準備から認定まで長期的に伴走してもらうケース、一括制は申請業務をまとめて依頼するケースです。
事務所の専門性や、不許可になった場合の不服申立てまで対応可能か(特定行政書士)などによって、費用は大きく変動します。
公認会計士・税理士:会計・財務のプロフェッショナル
公益認定の「肝」とも言える会計基準(収支均衡、公益目的事業比率など)への適合をサポートします。
法人の財務体質を診断し、公益法人として通用する会計体制を構築します。
費用相場
| 公益認定申請サポート(一式) | 70万円~ |
|---|---|
| 顧問料(月額) | 2万円 ~ 8万円 |
| 決算申告料 | 12万円 ~ 40万円 |
| 会計監査(必要な場合 | 60万円~ |
主な業務内容
- 「収支均衡」「公益目的事業比率」を満たすための財務コンサルティング
- 事業計画書・収支予算書の策定支援
- 公益法人会計基準に準拠した会計体制の構築、記帳代行
- 認定後の決算・税務申告、行政庁への財務関連書類の作成
- 非課税措置を確実に受けるための税務アドバイス
ポイント: 既存の会計処理が一般企業のものと同じ場合、公益法人会計基準への移行に多大な労力がかかるため、費用は高くなる傾向にあります。認定後の運営を見据え、顧問契約を結ぶケースが一般的です。
弁護士:法務リスクのプロフェッショナル
定款や各種規程の法的な妥当性のチェック、役員の責任範囲の明確化など、法人のガバナンス体制を法務面から強化します。
費用相場
| 顧問料(月額) | 3万円 ~ 10万円 |
|---|---|
| その他 | 個別見積もり |
主な業務内容
- 定款や内部規程のリーガルチェック
- 役員構成やガバナンス体制に関する法的な助言
- 事業に伴う契約書のレビュー
- 不許可処分に対する不服申立てや訴訟対応
ポイント
弁護士が直接、申請代行の前面に立つケースは稀ですが、組織が大規模であったり、法的に複雑な問題を抱えていたりする場合に、他のコンサルタントと連携してサポートに入ることがあります。
コンサルティング会社:トータルサポートのプロフェッショナル
上記のコンサルタントの業務を統合し、戦略立案から実務、認定後の運営支援までを一気通貫で提供します。
費用相場
| 月額制 | 10万円 ~ 20万円 |
|---|---|
| 一括制(プロジェクト型 | 80万円~ (総額で数百万に至るケースも) |
主な業務内容
- 公益法人化に向けた事業戦略の立案
- 事業計画、組織モデルの策定
- 申請実務の全体的なプロジェクトマネジメント
- 認定後の運営体制の構築支援
- 非課税運営を継続するための長期的なアドバイス
ポイント
法人内部に専門知識を持つ人材がいない場合や、事業内容の大幅な見直しが必要な場合に強力なパートナーとなります。費用は高額になりがちですが、認定までの期間短縮や、その後の安定運営まで見据えた価値が期待できます。
| コンサルタント種別 | サービス内容の概要 | 費用相場(目安) |
|---|---|---|
| 行政書士 | 申請書類作成・提出代行、行政庁折衝など | 月額 5.5万~20万円 / 一括 80万~275万円 |
| 公認会計士・税理士 | 財務・会計面のコンサルティング、会計体制の構築など | 申請一式 70万円~ / 顧問料 月額2万~8万円 |
| 弁護士 | 法務コンサルティング、ガバナンス体制の助言など | 顧問料 月額3万~10万円(個別見積もり) |
| コンサルティング会社 | 戦略立案から実務までトータルサポート | 月額10万~20万円 / 一括 80万円~ |
※上記はあくまで目安であり、法人の状況によって大きく変動します。
結論:費用対効果を見極め、賢く公益認定を目指すには?
ここまで見てきたように、公益認定には多額の費用がかかる可能性があります。
しかし、それは法人の未来を切り拓くための戦略的な「投資」です。
法人税・住民税の非課税による経済的メリット、寄付者への税制優遇による寄付金の増加、社会的信用の向上などを考えれば、長期的にはその投資を上回るリターンが期待できるでしょう。
重要なのは、自社の状況に合った最適なサポートを、適正な価格で受けることです。
信頼できるコンサルタントを選ぶ3つのポイント
成功の鍵は、信頼できるパートナー(コンサルタント)選びにあります。
以下の点を必ずチェックしましょう。
- 専門性と実績
公益法人分野での経験は豊富か?具体的な成功事例はあるか?非課税措置に関する知識は十分か?
- 費用の明確性
見積もりの内訳は詳細か?どこまでがサービス範囲で、追加費用は発生しないか?
- コミュニケーション
専門用語ばかりでなく、分かりやすい言葉で説明してくれるか?気軽に相談できるか?
複数のコンサルタントから話を聞き、サービス内容と費用をじっくり比較検討することが不可欠です。
費用を抑えながら、専門的な支援を受けるという選択肢
「コンサルタントに依頼する必要性は分かった。でも、やはり数百万円の初期投資はハードルが高い…」
「非課税で活動したいが、そのための費用が重荷になっては本末転倒だ…」
そうお考えになるのは当然です。特に、まだ規模の小さい法人にとっては、大きな負担となり得ます。
コンサルタントに全てを「丸投げ」するのではなく、自法人でできる準備は進めつつ、専門的な判断が必要な部分だけをサポートしてもらう、という方法も考えられます。
しかし、何から手をつけて良いか分からなかったり、作った書類が本当に正しいのか不安になったりするものです。
もし、あなたがコンサルタントへの高額な依頼費用に躊躇しているなら、新しい選択肢を検討してみませんか?
近年、公益法人会計や認定申請をサポートするためのITツールやクラウドサービスが登場しています。
これらのサービスを活用することで、コンサルタントへの依頼費用を大幅に抑えながら、コンサルタントの知見に基づいた効率的な準備を進めることが可能になっています。
例えば、当社の「シェアコモン200」をご利用いただくと、専門家によるコンサルティング費用を大幅に削減し、月額6,000円程度という負担で公益認定の準備を始めることができます。
もちろん、全ての法人に最適な方法というわけではありません。
しかし、高額なコンサルティング費用にお悩みの方や、コストを最小限に抑えながらも確実な一歩を踏み出したいとお考えの方にとって、有力な選択肢の一つとなり得ると確信しています。
非課税での公益活動という夢を、費用面で諦める必要はありません。
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監修者Profile

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桑波田直人(くわはた・なおと)
(株)全国非営利法人協会専務取締役・(一財)全国公益支援財団専務理事。 『公益・一般法人』創刊編集長等を経て現職。公益社団法人非営利法人研究学会では常任理事・事務局長として公益認定取得に従事。編著に『非営利用語辞典』、他担当編集書籍多数。





