労働組合会計基準

 昭和60(1985)年に日本公認会計士協会公益法人委員会によって定められた労働組合のための会計基準である。本会計基準は、労働組合会計の一般的な規範を示すものとして作成されている。労働組合会計に携わる者のガイドラインとしての役割を担い、適用が強制される性格のものではない。各組合が会計規定の改定や会計制度を見直す際の指針となるものとしての位置づけである。労働組合の計算書類は、組合の執行部が、構成員である組合員に対してのみ報告されていればその目的は達せられる。従って、本会計基準の適用に関しては、個々の労働組合にその判断がゆだねられることになる。本会計基準は、「第1.総則」「第2.予算及び予算書」「第3.収支計算書」「第4.貸借対照表」「第5.本部・支部会計」「第6.特別会計」「第7.総合貸借対照表」「第8.附属明細表」で構成されており、総則では、一般原則として、真実性の原則・明瞭性の原則、複式簿記の原則、継続性の原則、重要性の原則が求められている。また別表として各計算書の形式が示されている。
(阿部 仁)