連結決算関係書類(中小企業協同組合)

 組合が子会社を有している場合、経営の実態を適正に把握するためには、組合と子会社を合算して決算書を作成し、開示しなければならない。連結決算書の作成が義務づけられ、会計監査・業務監査の対象となる。中協法施行規則では、連結貸借対照表と連結損益計算書の2つの作成が規定されており(中協法施行規則75)、連結決算関係書類とはこの2つを指す。連結会計年度は、当該事業年度の前事業年度の末日の翌日(当該事業年度の前事業年度がない場合にあっては、成立の日)から当該事業年度の末日までの期間である(同法施行規則76)。連結の範囲は、基本的にはそのすべての子会社等を連結の範囲に含めなければならない(同法施行規則77)が、①財務および事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関)に対する支配が一時的であると認められる子会社等(同法施行規則77Ⅰ①)、または、②連結の範囲に含めることにより当該会計監査人監査組合の利害関係人の判断を著しく誤らせるおそれがあると認められる子会社等(同法施行規則77Ⅰ②)については、連結の範囲に含めないものとされる。なお、資産、売上高等からみて、連結の範囲から除いてもその会計監査人監査組合の集団の財産および損益の状況に関する合理的な判断を妨げない程度に重要性の乏しいものは、連結の範囲から除くことができる(同法施行規則77Ⅱ)。連結貸借対照表は、会計監査人監査組合の連結会計年度に対応する期間に係る連結組合の貸借対照表の資産、負債および純資産の金額を基礎として作成しなければならない(同法施行規則79)。連結損益計算書は、組合の連結会計年度に対応する期間に係る連結組合の損益計算書の収益もしくは費用または利益もしくは損失の金額を基礎として作成しなければならない(同法施行規則80)。連結決算書の注記事項としては、①連結の範囲に関する事項、②決算日の差異、③会計処理基準に関する事項等、さまざまな補足情報が求められる。
(櫛部幸子)