累積所得金額

 公益社団・財団法人または一般社団・財団法人のうち非営利型法人が普通法人または協同組合等に該当することとなった場合において、その移行日における資産の帳簿価額が負債の帳簿価額および利益積立金額の合計額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう(法人税法施行令131の4Ⅰ)。 累積所得金額=資産の帳簿価額-(負債の帳簿価額+利益積立金額) 公益社団・財団法人または一般社団・財団法人のうち非営利型法人が特定普通法人または協同組合等に該当することとなった場合、その移行日前の累積所得金額は、当該内国法人の当該移行日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する(法人税法64の4Ⅰ)。利益積立金額とは、収益事業から生じた所得で過去において課税された金額の合計額をいう。公益法人等は収益事業以外の事業から生じた所得に課税されていないため、普通法人になる際に課税されていない過去の累積所得に対して課税を行うことになる。この課税の趣旨は、過去の公益法人等であった期間において収益事業以外の事業から生じた所得として課税所得計算の対象外とされてきた金額の累計額を普通法人となった日の属する事業年度の所得金額として課税所得に加算し、従来から普通法人と同様にすべての所得につき課税が行われてきたとみなすことによって、普通法人との間の課税の公平を図ることにある。なお、修正公益目的財産残額がある場合には、その金額を累積所得金額から控除する等の所定の調整が行われる(法人税法施行令131の5Ⅰ)。
(神保 集)