メンタリング

 アメリカの人材育成方法の1つで、指導にあたる人をメンター、指導をうける人をメンティと呼び、基本的に1対1の関係で発達支援を行うものである。企業内における人材育成の方法として、かつて先輩から後輩へ受け継いでいた知識や技能を公的な制度と位置づけ、評価の対象として認めている。指導者であるメンターは職務の一環としてその役割を引き受け、メンティの育成にあたる。育成にあたり、メンター役の指導者についても、メンタリングを行うことにより、自らの成長に繋がる効果も期待できる。メンタリングの必要性については、終身雇用制度が崩れ、人と人との関係性も希薄となっている現代社会において、コミュニケーションを必要とする人材育成は人との繋がりを構築するうえでの学びにも繋がっていく。また、均質性を求めるのではなく個々人の能力や性格など個性に合った画一的ではない人材育成が求められている。今後ますます働き方の変化が進展するとすれば、人の繋がりをどう築くかは大きな課題といえる。そのうえで、自ら考え行動する気付きを育成するためにも、メンタリングによる人材育成が必要である。
(小川寛子)