メディケア・メディケイド

 アメリカの公的医療保険はおもに高齢者、障害者、低所得者を対象としている。そのため、民間の医療保険が大きな役割を担っている。1965年社会保障法改正により創設されたメディケアの対象者は、65歳以上の高齢者と65歳未満の一定の障害者および特定終末期腎疾患患者である。メディケイドの対象者は、一定の条件を満たす低所得者で、医療扶助と一部の介護扶助を行っている。アメリカの公的医療保険は、メディケア(medicare)とメディケイド(medicaid)、そのほかに低所得世帯の19歳以下の子どもに対する子ども医療保険プログラム(CHIP:Children’s HealthInsurance Program)、退役軍人が加入するVHA:Veterans Health Administration) などがあるが、多数の無保険者や財政的な課題を抱えていた。そこで2010年3月医療制度改革法(The Patient Protection and AffordableCare Act)が可決され、2014年以降、保険加入が義務づけられている。
(河谷はるみ)