マッチング・ギフト

 社員の寄付に呼応して、会社も一定比率(多くは1対1)で上乗せして寄付をする制度(たとえば従業員が3,000円を寄付すると、企業からも同額の3,000円を寄付する。)である。ゼネラル・エレクトリック(GE:GeneralElectric)が自社の従業員に対し、自らが学んだ教育機関に対する寄付を奨励したことに始まるとされる。企業や団体だけでなく、行政でも設置した基金に対して市民からの寄付と同額を行政から拠出する等の取り組みもある。マッチング・ギフト制度には、社員が自分で寄付をするNPO等の団体を選び、その団体に対して企業も同額を上乗せして寄付を行う「直接型」、企業があらかじめ寄付先団体をいくつか選択して社員に提案し、そこから社員が選ぶ「準直接型」、社員があらかじめ給与天引き等で寄付金の積立てを行い、企業のマッチング・ギフト運営委員会等が選んだ団体等に寄付が行われる「間接型」の大きく分けて3つのタイプがみられる。マッチング・ギフトのメリットは、個人が寄付をしたいと思うNPO等に対して、個人の寄付金以上の寄付を可能にすることや、効果的な支援に繋がること、制度を導入している企業や行政等にとっても、従業員や市民の意向を尊重して社会貢献や市民活動支援ができること、従業員や市民の寄付のきっかけとなったり、まだ寄付を考えていない人にも興味をもってもらい、迷っている人の背中を押したりするなど、寄付行動の促進に繋がったりすること、従業員と企業の一体感が生まれ、社会貢献意識が高まることなどがあげられる。なお、寄付先の選定において、マッチング・ギフトの加入者である企業の有志役職員がかかわる仕組みを設けたり、寄付の実施後に寄付先団体を招いて報告会を開催して寄付先より寄付金の使途報告や活動報告を直接聞く機会を設けたり、有志役職員が寄付先団体の活動にボランティア参加したりするマッチング・ギフトの導入事例もある。
(河合将生)