ホームレス自立支援法

 「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」(ホームレス自立支援法)は、自立の意思がありながらホームレスとなることを余儀なくされた者が、健康で文化的な生活を送ることができないなど、増大したホームレス問題を背景に、ホームレスの人々の支援や問題解決のための施策につき規定した法律で、平成14(2002)年8月7日に公布・施行された。本文全14条と附則3条からなる本法は、ホームレスの自立支援、ホームレスとなることを防止するための支援等に関し、国や地方自治体の果たすべき責務を明らかにし、地域社会の理解と協力をえつつ、ホームレスに関する問題解決に資することを目的とする(同法1)。立法当初は10年の時限法であったが、平成24(2012)年および平成29(2017)年の2度の改正により施行日から25年に延長された。施策目標としては、自立の意思があるホームレスに対する、就労機会と安定した住居の確保、医療・保健の確保と生活相談の実施等を掲げている(同法3)。本法に基づき、国は、厚生労働省と国土交通省による全国調査を踏まえて、ホームレスの自立の支援等に関する基本方針を策定し(同法8)、都道府県は、必要に応じて当該基本方針に即し、問題の実情に応じた施策の実施計画を策定することとなっており(同法9)、また民間支援団体との連携・協力の重視なども定めている(同法12)。
(李 庸吉)