法定代理受領

 たとえば、介護保険法の規定によると、要介護認定を受けた被保険者が介護サービスを受けた場合、「当該居宅要介護被保険者に対し、当該指定居宅サービスに要した費用」について「居宅介護サービス費を支給する。」としている(介護保険法41Ⅰ)。これは、利用者が費用を全額事業者に支払った後に、保険給付費を利用者に支給するという「償還払い」が基本となっていることを意味する。しかし、実際には利用者は自己負担分のみを事業者(施設)に払い、事業者が保険者に対し所定の費用分を請求し支払いを受けている。これは、一定の要件のもと、保険者は要した費用につき「当該居宅要介護被保険者に対し支給すべき限度において、当該居宅要介護被保険者に代わり当該指定居宅サービス事業者に支払うことができる。」(同法41Ⅵ)と定めているためで、これを「法定代理受領」という。この方式は、保育所の利用等においても認めている(子ども・子育て支援法30Ⅺ)。
(李 庸吉)