法人税

 法人が事業活動によってえた各事業年度の所得に課せられる税金のことをいう。公益認定を受けた法人(公益社団・財団法人)、公益認定を受けていない一般社団・財団法人で法人税法上の非営利型法人の要件を満たす法人(非営利型法人)等法人税法別表第2に掲げられる法人その他一定の法人は法人税法上「公益法人等」として扱われ、収益事業を行う場合等にかぎって納税義務を負う。公益認定を受けていない一般社団・財団法人が法人税法上の非営利型法人として取り扱われるためには、①非営利性の徹底または②共益的活動を目的とすることとして法人税法に定める要件を満たすことが要求され、それぞれの要件のすべてを満たす場合には特段の手続きを踏むことなく非営利型法人として取り扱われる。また、その要件を満たさなくなったときは普通法人として取り扱われることとなり、法人区分の変更にあたっては事業年度の区分や所得計算等についての調整等が必要となる。公益法人等の法人税の課税対象となる収益事業とは、販売業、製造業その他の事業で継続して事業場を設けて行われるものをいい、法人税法施行令に34業種が列挙されている。ただし、公益社団・財団法人の公益目的事業から生じた所得は業種にかかわらず課税対象とならない。また、その所得の計算上、公益社団・財団法人が収益事業から収益事業以外の事業で自らが行う公益目的事業のために支出した金額についてはその収益事業に係る寄附金の額とみなして一定の額が損金とされる。この「みなし寄附金」の規定は公益社団・財団法人の公益目的事業以外の事業への支出や非営利型法人の所得計算には適用されない。なお、公益法人等が収益事業を行わないなどにより法人税の確定申告書を提出しない場合は、原則として事業年度終了の日の翌日から4月以内に損益計算書または収支計算書を所轄税務署長に提出しなければならない。
(古田美保)