フリーアクセス

 自己の判断で公的医療保険により受診する医療機関(大学病院、診療所など)を自由に選択できる体制をフリーアクセスという。このフリーアクセスと社会保険方式による国民皆保険制度により、病気等の際には、保険証1枚で一定の自己負担(原則3割)で必要な医療サービスを受けることができる。こういった制度により、誰もが安心して医療を受けることができる医療制度が実現し、世界最長の平均寿命や高い保健医療水準が達成されてきた。しかしながら、身近な診療所よりも大病院などへの患者の集中等による「数時間待って数分間の診察」のような弊害や、多重受診、医療費の高騰といった課題も生じている。こういった課題への対応や医療機関相互間の機能分担・業務連携の促進等のため、平成24(2012)年度からかかりつけ医の紹介状なしでの大病院への受診については定額負担制度が導入(平成28[2016]年度からは一定規模以上の医療機関には定額徴収を義務づけ)された。
(石津寿惠)