プライマリ・ケア

primary care
 アメリカ国立科学アカデミー(NAS:NationalAcademy of Sciences)によると、患者の抱える問題の大部分に対処でき、かつ継続的なパートナーシップを築き、家族および地域という枠組みのなかで責任をもって診療する臨床医によって提供される、総合性と受診のしやすさを特徴とするヘルスケアサービスである。プライマリ・ケアはプライマリ・ヘルスケアの一部であり、患者が地域において最初に接する医療で、診療所等の総合診療医(generalist)が診療を担う。総合診療医は、適切な診断と処置および必要に応じて専門医(specialist)に繋げる役割を有している。アメリカ医学研究所(IOM:Institute of Medicine)は、プライマリ・ケアの原則として、① 近接性(accessibility)、②包括性(comprehensiveness)、③協調性(coordination)、④継続性(continuity)、⑤責任性(accountability)の5つを提唱している。国民保健サービス(NHS)が展開されているイギリスでは、プライマリ・ケアを基盤とする保健医療制度が構築されている。患者は総合診療医であるかかりつけ医(GP)の診療を受け、かかりつけ医がより専門的な診療が必要と判断した場合に、専門医(consultants)による診療や入院医療を受けることが可能になる。プライマリ・ケアは専門医に患者が集中することを防ぐ機能も有している。
(井上祐介)