病床

 病床とは医療機関における患者用ベッドのことである。日本では病床19床以下の医療機関を診療所、病床20床以上の医療機関を病院と称する。日本の病床は、平成13(2001)年施行の第4次医療法改正により、精神病床、感染病床、結核病床、療養病床、一般病床の5つに分類される(医療法7Ⅱ①〜⑤)。精神病床とは、精神疾患を有する者を入院させるための病院の病床である。感染症病床とは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(平成10年法律第114号)6Ⅱに規定する一類感染症、同法6Ⅲに規定する2類感染症(結核を除く。)、同法6Ⅶに規定する新型インフルエンザ等感染症および同法6Ⅷに規定する指定感染症(同法7の規定により同法19または20の規定を準用するものにかぎる。)の患者(同法8[同法7において準用する場合を含む。]の規定により1類感染症、2類感染症、新型インフルエンザ等感染症または指定感染症の患者とみなされる者を含む。)ならびに同法6Ⅸに規定する新感染症の所見がある者を入院させるための病院の病床をいう。結核病床とは、結核の患者を入院させるための病院の病床をいう。療養病床とは、上記以外の病床であって、主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるための病床をいう。一般病床とは、上記病床以外の病床をいう。つまりもっとも機能が明確でない病床が一般病床である。高度急性期医療から回復期リハビリテーション等、場合によってはいわゆる社会的入院の受け皿機能まで担い、それらを一括して一般病床という。療養病床は医療療養病床と介護療養病床に分類される。医療療養病床は長期にわたる療養を要し、おもに医療を必要とする患者を対象とし、医療保険からサービスを給付する。介護療養病床は長期にわたる療養を要し、おもに介護を必要とする利用者を対象とし、介護保険からサービスを給付する。介護療養病床は平成29(2017)年に廃止の予定であったが、平成29年6月に公布された法改正により令和5(2023)年度末に6年間延長された。介護療養病床の受け皿として、平成30(2018)年4月より介護医療院が創設されている(介護保険法8ⅩⅩⅨ)。
(松原由美)