バリュー・フォー・マネー

 支払ったお金に対してそれに見合う価値を生み出しているかといった「お金の賢い使い方」を指す。行政で用いられる場合には、税金などの公金によって生み出された行政サービスが、納税者にとって価値あるものとなっているかが重要となる。イギリスでは、会計検査院(NAO)や自治体が選任する監査人が、VFM監査を行っている。VFM監査は、3E監査とも呼ばれ、経済性(economy)、効率性(efficiency)および有効性(effectiveness)に関して監査を行う。2019年までイギリスでは、地方自治体の外部監査を自治体監査委員会(audit commission)が行っており、このなかでVFM監査を行っていた。自治体監査委員会が廃止された後は、それぞれの自治体が監査法人に監査を委託し、財務諸表監査と併せてVFM監査が行われている。行政などの公的部門については、民間部門と異なり競争がなく、行政サービスの品質を改善することが難しいことからVFMの考え方が採用されている。日本では、PFI(Private FinanceInitiative)事業の導入可能性を判断する際に、従来の方式による場合とPFI事業による場合との総事業費を比較してPFI事業による場合の方が安価となるときは、PFI事業による事業の実施の方がVfMがあると評価される。
(丸山恭司)