パブリック・サポートテスト

 もともとはアメリカの内国歳入法で1969年に規定されたもので、その対象となる団体が個人、法人等から寄附、助成金、補助金を受けているか、それも金額の多寡ではなく広く多くの者から支援されているかを確認するものであった。アメリカの州法では非営利法人の設立が登記によって容易にできることから、寄附金税制を付与するにおいては、それらの団体活動が広く支持されていることが必要とされたのである。それらの団体が公益的な活動を十分に果たしているかを、連邦政府や州からの視点よりも、むしろ個人や法人等の視点から判断したのである。もっとも、アメリカのパブリック・サポートテストの制度は、寄附者が税制優遇を濫用することを防止するという意味もあったとされている。日本の認定NPO法人税制において、創設された当初の認定基準のなかのパブリック・サポートテストは厳しいものであったが、次第にその認定基準は緩やかなものとなってきている。総収入金額に占める寄附金収入の額の割合も、認定NPO法人税制の創設当初は3分の1であったが、現行規定では5分の1まで減少し、役員や会員の寄附もカウントされてきている。その一方で、寄附を集めるために都合のいい、事実と異なるアナウンスをする傾向があれば問題で、そのNPO法人の実態を可視化する情報内容の提供の充実が必要である。その一例として、財産による支援のみでなくサービスによる支援、すなわち受け入れるボランティア活動も金銭評価して寄附金収入の額に含めることで、より支援されている実態が明らかになる見解もある。
(成道秀雄)