日本医療機能評価機構

 英語名はJapan Council for Quality HealthCare:JCQHCであり、平成7(1995)年に設立した。国民の健康と福祉の向上に寄与することを目的とし、中立的・科学的な第三者機関として医療の質の向上と信頼できる医療の確保に関する事業を行う公益財団法人である。日本医療機能評価機構が実施する事業は以下のとおり。①病院機能評価事業、②認定病院患者安全推進事業、③産科医療補償制度運営事業、④EBM(Evidence Based Medicine)医療情報事業(Minds)、⑤医療事故情報収集等事業。このうち、病院機能評価事業は、病院の医療機能を学術的観点から中立的な立場で評価し、その結果明らかとなった課題の改善を支援する事業として運営されている。評価内容については、平成25(2013)年4月より現在の評価体系(3rdG.)に基づき、病院の役割や機能に応じた評価項目の設定による、診療・ケアにおけるプロセスを重視する評価を実施するとともに、病院と評価調査者(サーベイヤー)との双方向性を強化した評価を行っている。評価方法としては、「書面審査」と「訪問審査」の2つを実施している。以下は、受審する病院の機能種別の分類である。①一般病院1:主として、日常生活圏域等の比較的狭い地域において地域医療を支える中小規模病院。②一般病院2:主として、2次医療圏等の比較的広い地域において急性期医療を中心に地域医療を支える基幹的病院。③一般病院3:主として、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発・評価、高度の医療に関する研修を実施する病院または準ずる病院(特定機能病院、大学病院本院等)。④リハビリテーション病院:主として、リハビリテーション医療を担う病院。⑤慢性期病院:主として、療養病床等により慢性期医療を担う病院。⑥精神科病院:主として、精神科医療を担う病院。⑦緩和ケア病院:主として、緩和ケア病棟もしくはホスピスを有する病院。さらに、病院の継続的な質改善活動の促進を支援するため、それぞれの医療施設で活躍できる人材養成事業も実施している。
(上村知宏)