(小口将典)
ナショナル・ミニマム
国が法律や施策などによって、国民に対して保障するべき最低限の生活水準をあらわす概念のことであり、国民生活環境最低水準などとも呼ばれている。イギリスのWebb, S.and Webb, B.(ウェッブ夫妻)によって1897年に提唱され、その後ベヴァリッジ報告に継承されイギリス社会保障の基本的理念になった。日本においてこのナショナル・ミニマムという概念は、日本国憲法第25条の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」の生存権として定めており、生活保護法をはじめとした福祉各法などの法律や社会保険や雇用、教育などをはじめとする社会保障の制度等の基礎ともなっている。