独立行政法人会計基準・同注解

 平成12(2000)年2月16日に総務省独立行政法人会計基準研究会によって設定された。現在では、総務省独立行政法人評価制度委員会会計基準等部会と財務省財政制度等審議会財政制度分科会法制・公会計部会との共同ワーキング・チームにおいて検討が行われて、適時、改訂が行われている。「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(平成25[2013]年12月24日閣議決定)における独法のマネジメントサイクルの強化、自律的なマネジメントというの改革の成果を十分に発揮するために、国民その他の利害関係者が独法の財務報告をより一層活用することが求められていることから、「独立行政法人の財務報告に関する基本的な指針」(平成29[2017]年9月1日)が公表された。それは、独法制度の根幹に立ち返って、理論的・体系的な整理を行い、財務情報のみならず、非財務情報を含めた独法の「財務報告」のあり方を示したものである。平成30(2018)年改訂において、行政コストを損益計算書の費用およびその他行政コストに分類するとともに、損益計算書の費用は、利益の算定を通じて独法の業務に関連し発生した剰余金の変動に関連し、その他行政コストが会計上の財産的基礎の変動に関連するとした。純資産は、資本金、資本剰余金および利益剰余金に分類するとともに、会計上の財産的基礎は資本金および資本剰余金に関連し、独法の業務に関連し発生した剰余金が利益剰余金に関連するとした。さらに、「基本的な指針」に基づき、独立行政法人通則法38に基づき作成される「事業報告書」の改訂が行われ、新たに「事業報告書に関するガイドライン」が設定された。そこでは、法人の長のリーダーシップに基づく業務運営の状況について、法人のミッションや戦略に即したストーリー性、全体像把握に資する簡潔な説明、持続的な業務運営や業務改善の効果等を記載することとされた。
(鵜川正樹)