特別財産・基本財産(宗教法人)

 貸借対照表および財産目録における資産の部の区分である。それぞれ、宗教法人会計の指針(平成13[2001]年5月14日、日本公認会計士協会)において、資産の部に設けるものとされた区分で、同指針・様式においては、特別財産として宝物および什物が、基本財産として土地、建物、定期預金が中科目として掲げられ、宝物については「〇〇像」、土地は「境内地」、建物は「境内建物」が例示されている。ただし、宗教法人法においては特別財産の定めはなく、あくまでも宗教法人会計の指針に基づいて貸借対照表および財産目録を作成する場合に、その具体的内容を個々に定めるにとどまる。また、宗教法人法上は、財務に関する事項として、基本財産、宝物その他の財産の設定を規則に記載すべきこと(絶対的記載事項)とされ、基本財産がある場合には、その総額が、設立時の登記事項とされているが、基本財産の性質は明らかにされておらず、その位置づけおよび具体的内容についても各宗教法人が個々に定めることになる。
(上松公雄)