特定資産(学校法人)

 学校法人において、一定の目的を達するための支出に備えて確保される(引き当てされる)資産のことをいう。この特定資産は、確保される資産の項目によって分類することができる。確保される資産が預金のときには「特定引当預金」と呼称し、他方確保される資産が預金以外のときには「特定引当資産」と呼称される。また、特定資産は、学校法人会計基準に定められているものと、学校法人が独自に設定するものとに分類することもできる。このうち、学校法人会計基準で定められているものには、「第2号基本金引当特定資産」と「第3号基本金引当特定資産」がある。これらは、それぞれの基本金の必要な原資を確保しておくという内部管理目的、そして確保した事実を外部の計算書類利用者に提供するために設定される。他方、学校法人が独自に設定する特定資産のおもなものとしては、「減価償却引当特定資産」や「退職給付引当特定資産」、そして学校法人が将来予定する各種事業のために設定する「○○事業引当特定資産」がある。特定資産のうち、特に「減価償却引当特定資産」は、当該学校法人が有する固定資産の将来の建替更新のための原資となりうるものであり、学校法人の永続性を担保するうえで重要である。特定資産の表示については、学校法人の貸借対照表上の資産の部において、「特定資産」という独立した区分を設けて表示される。
(林 兵磨)