中小企業等協同組合

 中小企業者の経済的地位向上を図るために中協法に基づき設立された組合の総称であり、つぎの6種類の組合がある。①事業協同組合:中小規模の事業者によって組織されるもっとも一般的な組合である。中小規模の事業者が相互扶助の精神に基づき、経営の合理化および取引条件の改善を図ることを目的として、組合員の事業経営に関する協同事業を行うために設けられた組合である。②事業協同小組合:零細規模の事業者の組織化対策の1つとして設けられた組合である。前述の事業協同組合とその目的、事業はほぼ同じであるが、加入資格に「主として自己の勤労によって」事業を行う事業者であり、おおむね常時使用する従業員数が5人(商業またはサービス業は2人)を超えない事業者であるという制限がある。③火災共済協同組合:組合員等について生じる火災、破裂、爆風、風水害等による損害を塡補することを目的として設けられた組合である。火災共済協同組合の地区として、1または2以上の都道府県の区域の全部とする組合(地域組合)と全国とする組合(業種組合)とがある。④信用協同組合:中小規模の事業者や勤労者等によって組織される協同組織による相互金融の機関である。信用協同組合の組合員たる資格を有する者は、事業協同組合の場合よりも広く、地区内の中小規模の事業者のほかに、地区内に住所もしくは居所を有する一般の居住者または地区内に職場のある勤労者にも組合員資格がある。⑤協同組合連合会:協同組合(ただし企業組合は除く。)の連合体である。協同組合連合会は、協同組合が単独では行うことのできない共同事業を行うことにより、その構成員たる組合に奉仕することを目的として設立される組合である。⑥企業組合:個人が相互扶助の精神に基づいて、その資本と労働を提供して共同事業を行うために設立される組合である。その際、組合員たる個人は、自己の事業を廃止し、原則として組合の事業に従事して報酬を受ける勤労者的存在になる。企業組合は、個人のみの集団であることから企業体として資本力等に弱点があるため、平成14(2002)年の中協法の改正により組合員資格が拡大され、個人および組合事業関連企業をはじめとする法人等が特定組合員としての組合員となることができるようになった。
(髙山昌茂)