中間支援組織

 NPO法人をはじめとする市民活動団体を支援する組織である。それ自身もNPO法人であることが多い。そのため、「NPOを支援するNPO」と説明されることがある。団体運営の助言、情報提供、スタッフ研修、団体間のネットワークづくり、企業や行政との仲介などの団体へのサービス提供のほか、調査、政策提言などを行うこともある。さらに、自治体が設置した市民活動センターなどの施設の指定管理者となっていることもある。かつては「サポートセンター」、「インターミディアリー」という呼び方もあった。地域の課題に取り組む多様なNPOを、分野を問わずに支援することを目的とするものが多いが、分野別の支援組織の場合にもこの言葉が用いられることがある。「中間」の意味は、現場での活動を行うNPOと、それを支える市民、行政、企業との間にあって両者を仲介するということが多いが、厳密な定義はない。 1990年ごろにアメリカのコミュニティ開発法人(CDC)が日本に紹介されるなかで、それらのコミュティ開発法人と連邦政府、地方政府、投資家、金融機関などを結んでおもに財源調達を支援するintermediary organizationが、単純にNPOを支援する組織と理解され、「媒介組織」、「インターミディアリー」と呼ばれ、さらに「中間支援組織」という呼び名で定着した。しかし、日本での中間支援組織においては財源調達の支援はあまり行われておらず、欧米でinfrastructure organizationやlocalinfrastructure organizationと呼ばれるものに近い。分野別の支援組織は以前から存在していたが、中間支援組織と呼ばれるものが登場し始めたのは、NPOの登場と連動しており、1990年代からである。平成10(1998)年に特活法が成立する少し前頃から、仙台、大阪、神戸、広島などで設立され、その後全国に広がった。
(吉田忠彦)