チャリティ委員会(英)

 イングランドとウェールズのチャリティの認証・登録や支援・規制・指導監督、運営の助言などを行う独立した行政機関(department)であり、チャリティに対する信頼性を保証している。チャリティ委員会は1853年に発足し、1960年のチャリティ法によって公式化され、その地位が高められた。その構成は内務大臣(home secretary)によって任命される4人から8人の理事で構成されている。法律の専門家やウェールズに関する知識をもつ者が含まれ、任期は3年である。このチャリティ委員会の目的は、①チャリティにおける社会的な信頼と信用を向上させること、②公益増進の要件を満たすことへの認知と理解を促進すること、③チャリティの運営における支配と管理を行使する際に、チャリティの受託者(trustees)が法的義務を遵守することを促進すること、④チャリティの資源の効率的な使用を促進すること、⑤寄付者、受益者(beneficiaries)、一般大衆(the generalpublic)に対するチャリティの説明責任を推進すること、である。
 チャリティ委員会には、つぎのような機能が与えられている。①団体がチャリティであるかどうかを決定すること、②チャリティの管理を奨励および促進すること、③チャリティの管理の不正や管理ミス(mismanagement)の確認および調査、ならびに、チャリティの管理における不正や管理ミスに伴う行動の是正や防止を行うこと、④公益目的の募金に対し、一般大衆対象募金証(public collectionscertificates)の発行や、その有効性を継続するかどうかを決定すること、⑤委員会の権限の行使、あるいは、その目的の執行についての情報の収集、評価、普及を行うこと、⑥委員会の権限やその目的の執行について、大臣に情報の提供、助言あるいは提案を行うこと、である。このようにチャリティに対してさまざまな責任を負っているチャリティ委員会であるが、独立機関であることから、会計年度終了後に、年次報告書(annual report andaccounts)等を作成し、その年の活動や財務諸表の公表を行っている。なお、イギリスにはスコットランド、北アイルランドにはそれぞれ別個のチャリティ委員会が存在する。
(兵頭和花子)