弾力運用通知

 社会福祉施設における措置費については、適正な福祉サービスの実施を確保するため、措置費の算定根拠となる区分(人件費、管理費、事業費)の別に支弁されるべきことが求められる。すなわち、人件費については給与、賃金等の施設運営における職員の処遇に必要な一切の経費に支出されるものとされ、管理費は、物件費・旅費等の施設の運営に必要な経費に支出されるものとされ、事業費は入所者の処遇に必要な一切の経費に支出されるものとされている。しかし、社会福祉事業の主たる担い手である社会福祉法人の自主的・自律的な経営を推進する観点から一定の要件が満たされる場合、人件費・管理費・事業費ごとの支出対象経費の区分管理を弾力化する運用が認められている。当該の取り扱いを定めたものが「社会福祉法人が経営する社会福祉施設における運営費の運用および指導について」(社援発第0312001号ほか・厚生労働省社会・援護局長ほか連名通知)および同名の課長通知(社援基発0321002号ほか・厚生労働省社会・援護局福祉基盤課長ほか連名通知)であり、これらの通知を総称して弾力運用通知と呼ぶ。また保育委託費についても、措置費と同様の資金の使途制限があり、その弾力運用については、「子ども・子育て支援法附則第6条の規定による私立保育所に対する委託費の経理等について」(府子本第254号ほか・内閣府子ども子育て支援本部統括官ほか連名通知)および「『子ども・子育て支援法附則第6条の規定による私立保育所に対する委託費の経理等について』の取扱いについて」(府子本第255号ほか・内閣府子ども・子育て本部参事官ほか連名通知・平成27年9月3日)が発出されている。
(千葉正展)