他会計振替額

 内訳表に表示した収益事業等からの振替額である(運用指針12⑵)。公益法人の正味財産増減計算書内訳表様式では、経常外損益の部の「他会計振替前当期一般正味財産増減額」と「当期一般正味財産増減額」の間に表示する(運用指針様式2-3)。基本的には利益ベースでの振替を会計区分間で行う場合に利用されることが想定されている(FAQ問Ⅵ-2-④)。公益法人は、収益事業等(公益目的事業以外の事業)から生じた利益の50%は公益目的事業を行うために使用しなければならない(公益認定法18④)。この場合の収益事業等から公益目的事業会計への繰り入れは、他会計振替額を用いることとされており、法人の管理費の財源に収益事業等の利益を充当する場合も同様である(FAQ問Ⅵ-2-④)。たとえば、会費収入を法人内のルールにより各会計区分へ配賦する場合のように収益を各会計区分に配賦する場合は、他会計振替額を利用するのではなく、直接各会計の経常収益区分に計上する(FAQ問Ⅵ-2-④)。公益目的事業のみを実施する法人が公益目的事業に係る対価収入の一部を管理費の財源に充当する場合も同様である(FAQ問Ⅵ-1-②)。なお、公益目的事業から収益事業等会計や法人会計への振替はできない(公益認定法18)。法人会計から公益目的事業会計への振替は、公益認定法施行規則26⑧に従って行う。この振替についても他会計振替額を利用する(FAQ問Ⅵ-2-⑥)。
(西村拓哉)