代替基金(一般社団法人)

 公益社団法人および一般社団法人において基金を返還するときは、返還額相当を代替基金として計上しなければならない(一般法人法144)。このとき、基金返還額相当だけ貸借対照表の一般正味財産の内訳が「その他一般正味財産」から「代替基金」に振り替わる。返還された基金の代わりに代替基金を計上することは、いったん計上された社団法人の財産的基礎を形成する基金の総額を減少させないようにするための仕組みである。その趣旨からこの代替基金は取り崩すことができない(同法144)。これはおもに一般社団法人の債権者を保護するために設けられた制度であるためである。また、この代替基金の仕組みがあることにより、社団法人にとって負債という性質をもつ基金を法人の解散の前に拠出者に返還できるようになっていることも代替基金の重要な点である。
(東葭 新)