貸借対照表

 一定時点における財政状態に関する情報を提供するために作成される表で、資本の運用状況を示す資産と、調達源泉を示す負債および純資産(もしくは正味財産)とをバランスさせて作成される。貸借対照表は非営利法人においても中核的な計算書類の1つとして位置づけられている。このことは、貸借対照表の機能として求められる財産管理や負債の網羅性等の重要性が非営利法人においても重要視されていることの証だと考えてよい。たとえば、一般法人法123は一般社団・財団法人に貸借対照表の作成を求めているし、公益認定法7Ⅱ④は公益認定の申請に際して貸借対照表の提出を求めている。また、社福法は同法45の27において社会福祉法人に対し貸借対照表の作成を義務づけている。さらに、特活法28の2では特定非営利活動法人に対して貸借対照表を作成後遅滞なく公告することを義務づけている。このほか、私学法47は学校法人に、医療法51は医療法人に、生協法31Ⅶは消費生活協同組合に、というように数多くの非営利法人に対してそれぞれの根拠法が貸借対照表の作成を義務づけている。貸借対照表の作成基準はそれぞれの非営利法人の名が冠せられた会計基準(たとえば公益法人会計基準・社会福祉法人会計基準・NPO法人会計基準・学校法人会計基準・医療法人会計基準・生協会計基準等)にゆだねられており、主務官庁の違い等による多少の温度差がありながらも、企業会計の基準に準拠するように各々の会計基準の整備がすすめられてきている。
(関口博正)