代議員制

 社団法人で会員数が比較的多い法人では社員総会に際し、社員全員が一堂に会して議論、議決をすることが物理的にも、技術的にも困難であることが多いため、代議員制を採用し、一定のグループごとに代議員(一般法人法上の社員)を選出し、代議員の議決をもって社員総会の総意とする仕組みのことである。一般的な代議員制度は、会員数に応じた一定割合で代議員数を定め、代議員は、立候補した会員のなかから代議員選挙により選出される。代議員には、通常、任期を設定するので、何年かに一度、代議員選挙を実施する必要がある。代議員選挙にあたっては、代議員選挙に関する規程や細則などを定める必要がある。代議員制の利点は、法人にとってより適任である者を代議員として選出することができること、代議員だけが社員総会に出席すればよいため、社員総会の成立要件を満たすための労力が大幅に軽減され、効率的な議論が可能であるといった点にある。一方、代議員制の欠点は、代議員を選出する選挙に費用や事務的負担がかかり、選挙で選ばれた代議員が選挙時の公約とは異なる言動や行動をする可能性があること、会員からの意見が間接的になることを避けられず、社員総会において必ずしも社員の意見が十分反映されるとはかぎらないことなどがあげられる。
(早坂 毅)