ソーシャルファイナンス

 経済的リターンとともに非金銭的な社会的リターンあるいは社会的配当を求める組織によって提供される社会的金融のことを指す。社会起業家に資金提供をする手段として注目されている。14〜15世紀のイギリスなどのヨーロッパで、高利貸しに対抗してキリスト教会が設立した低利の金融機関Monte diPietaが源流とされており、日本では鎌倉時代中期の無尽講が起源とされている。貧困、環境問題あるいは地域社会の活性化といった社会的課題の解決を主眼とし、社会的な成果および評価を不可欠の要素としている。一般的には、寄付金や助成金を資金源としているが、なかには一定期間後の資金回収を想定し、資金循環の持続可能性を企図したものもある。対比する概念として「コーポレートファイナンス」がある。コーポレートファイナンスとは、株式会社に代表される営利企業が、株式や社債の発行を通じて資金を調達し、調達した資金を企業価値の最大化に繋がるよう投資することを意味する。
(丸山恭司)