設立時役員

 法人設立に際して就任する理事および監事をいう。一般法人法の定義では、設立時理事とは法人設立に際して理事となる者をいい(一般法人法15Ⅰ、153Ⅰ⑥)、設立時代表理事を選定しなければならない義務を負う(理事会を設置しない一般社団法人を除く。同法21Ⅰ、162Ⅰ)。設立時監事とは、法人設立に際して監事となる者をいう(同法15Ⅱ①、153Ⅰ⑥)。設立時役員の選任方法には、①定款によって定める方法または②設立時社員が定款の公証人認証後に遅滞なく選任する方法がある(同法15Ⅰ・Ⅱ、159Ⅰ)。設立時役員は一般社団法人の設立の手続きが法令または定款に違反していないことを調査し、違反または不当な事項があると認めるときは、設立時社員にその旨を通知する義務を負う。一般財団法人においては財産の拠出の履行が完了していること、設立の手続きが法令または定款に違反していないことを調査し、違反または不当な事項があると認めるときは、設立者にその旨を通知する義務も負う(同法20、161)。なお、社会福祉法人、学校法人、医療法人では設立当初の役員は、定款または寄附行為によって定めなくてはならないとされているが、設立に際しての義務等に関する法令上の記載はない。
(高野恭至)