政府出資金

 法人の行う事業の公共性・公益性に着目し、法人の業務の的確な実施や経営の安定性の確保等の観点から国が政策的に出資を行い、それによって取得した株式や出資による権利等のことをいう。政府出資の大きなものとして、政府が保有する特殊法人の株式と独立行政法人への出資がある。政府保有株式については「政府保有株式に係る株主議決権行使等の方針」に基づき、株主議決権の適切な行使等を行っており、その結果については公表されている。また、政府保有株式は、政府保有義務分を除き、各持株会社に係る主務官庁の政策判断を踏まえたうえで、売却が可能となった段階で株式市場の動向や会社の経営・財務状況を勘案しながら売却がすすめられることとなる。独立行政法人通則法において、独立行政法人はその業務を確実に実施するために必要な資本金その他の財産的基礎を有しなければならないとされ、政府はその業務を確実に実施させるために必要があると認めるときは、各独立行政法人に出資することができるとされている。独立行政法人の不要財産の国庫納付、重要財産の処分、中期計画の作成等については、主務大臣の認可事項となっており、認可にあたっては財務大臣と協議が行われる。以上の政府保有株式と独立行政法人への出資のほか、国際機関、国立大学法人、金融機関、事業団等への政府出資などがある。
(小野英一)