水産業協同組合法(漁協)

 水産業協同組合の法的な存在・権利義務など、基本的な法律関係を規定する法律である。法人は民法その他の法律の規定によらなければ成立せず、法令の規定に従い定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において権利を有し、義務を負うとされている(民法34Ⅰ、35)。水産業協同組合法により、水産業協同組合に法人格が付与される(水協法5)。その目的は、漁民および水産加工業者の協同組織の発達を促進し、もってその経済的社会的地位の向上と水産業の生産力の増進とを図り、国民経済の発展を期することにある(水協法1)。法律の対象となる水産業協同組合は、漁業協同組合、漁業生産組合および漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合および水産加工業協同組合連合会ならびに共済水産業協同組合連合会であり、組合の名称中にはこれらの文字を用いることが強制される(水協法2、3Ⅰ)。これら組合は独占禁止法適用除外規定の要件を構成する「小規模事業者相互扶助」、「組合員議決権平等」の要件を備えているとみなされる(水協法7、独禁法22①、③)。また、これら組合のうち、共済水産業協同組合連合会、漁業協同組合、漁業協同組合連合会等一定の漁業生産組合における事業利用分量配当等は法人税法上、各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入するという特例もある(水協法8、法人税法2⑦)。当該法律の構成はつぎのとおりとなっている。第1章 総則、第2章 漁業協同組合、第3章 漁業生産組合、第4章 漁業協同組合連合会、第5章 水産加工業協同組合、第6章水産加工業協同組合連合会、第6章の2 共済水産業協同組合連合会、第7章 登記等、第7章の2 特定信用事業代理業、第7章の3 特定信用事業電子決済等代行業、第7章の4 指定紛争解決機関、第8章 監督、第9章 罰則、第10章 没収に関する手続等の特例、附則。そのほか同法施行規則において、決算書類および会計帳簿の詳細な規定がなされている。
(田口安克)