信頼構築

 信頼とは、広義には「社会秩序やその規則性に対する期待」などと定義されるが、一般には相手方の「役割遂行能力」や「相手方が信託された責務と責任を果たすこと」に対する期待を意味する。つまり、信頼を構築するとは、「役割遂行能力や義務履行に対する期待をもち合う2者間以上の人間あるいは組織の関係性をつくりあげること」である。非営利組織は、組織理念に共感し、支援する人々を基盤に存立している。すなわち、非営利組織は社会やそれらの人々との信頼構築のもとで成り立っており、その関係強化は組織の存在意義を高める。他方で、期待に反する出来事による信頼失墜は、組織存続の危機にも繋がる。その意味で、組織管理の過程では、信頼関係の強化や拡張の取り組みが重要である。具体的には、組織理念に基づく良質なサービスを提供することはもちろんのこと、情報開示(広くは内部統制)を前提とした双方向におけるコミュニケーションを確保する必要がある。
(井寺美穂)