審査支払機関

 保険者等の委託を受けて診療報酬の審査および支払いをする専門機関で、社会保険診療報酬支払基金(支払基金)をいう。支払基金は、国が決めた基準に即して、保険医療機関(薬局)からの診療に係る医療費の請求を事務的および医学的に審査し、適正な診療報酬明細書(レセプト)に補正する。具体的には、診療行為が保険診療ルール(療養担当規則、診療報酬点数表、関連通知)に基づき適正に算定されているかどうかを審査する。審査の決定は、47都道府県各支部に設置された審査委員会が行い、審査後は患者が加入している健康保険組合(保険者)に、その月(1日から末日まで)に保険医療機関(薬局)でかかった7〜8割分の診療報酬請求を行う。健康保険組合(保険者)は、事業主と従業員が納めた保険料から支払基金に診療報酬を払い込み、支払基金は毎月一定の期日までに保険医療機関(薬局)に診療報酬を支払う。このように診療報酬は、支払い基金という公的な機関の審査を経て支払われている。この審査支払業務は事務費手数料のみで賄われ、保険者が負担する。国民健康保険・介護保険の審査支払機関は国民健康保険団体連合会(国保連合会)である。国民健康保険法83に基づき、保険者である都道府県・市町村・国民健康保険組合が共同で、国民健康保険事業の目的を達成するために必要な事業を行うことを目的に設立された公法人である。設立にあたっては都道府県知事の認可を必要とし、全国47都道府県にそれぞれ設立されている。その役割は、介護保険や医療保険等の保険給付が不正なく行われているかをチェックすることにある。
(河谷はるみ)