人格のない社団等

 法人でない社団または財団で代表者または管理人の定めがあるものをいう。この定義は、国税に関する法令(国税通則法[昭和37年法律第66号]、国税徴収法[昭和34年法律第147号]、所得税法、法人税法、地方法人税法[平成26年法律第11号]、地価税法[平成3年法律第69号]、消費税法、租特法)上、同一である。地方税法における定義は、国税と同一の部分(総則、地方消費税、事業所税)もあるが、道府県民税では「法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあり、かつ、収益事業を行うもの(収益事業を廃止したものを含む。)」(地方税法24Ⅵ。市町村民税も同じ)とされ、事業税では「法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあり、かつ、収益事業又は法人課税信託(法人税法に規定する法人課税信託をいう。)の引き受けを行うもの(収益事業を廃止したものを含む。)」とされる(地方税法72の2Ⅳ。特別法人事業税および特別法人事業譲与税も準用)。人格のない社団等は、課税上、法人とみなされるが、これは国税に関する法令上同一であり(国税通則法3、国税徴収法3)、地方税法上も同様である(地方税法24Ⅵ、72の2Ⅳ、294Ⅷ、701の32Ⅲ)。なお、特定非営利活動法人は公益法人等とみなされるが、地価税の非課税に関する規定(地価税法6、33を除く)の適用上、人格のない社団等とみなされる(特活法70)。人格のない社団等に対する均等割の税率は、法人道府県民税が年額2万円(地方税法52Ⅰ)、法人市町村民税が年額5万円(地方税法312Ⅰ)である。また、人格のない社団等に対する法人事業税は、電気供給業、ガス供給業、保険業および貿易保険業以外の事業に対して所得割額が課される(地方税法72の2Ⅰ①ロ)。なお、道府県は、人格のない社団等の事業の所得で収益事業に係るもの以外のものに対して事業税を課すことができない(地方税法72の5Ⅱ)ため、所得または収入金額を、収益事業に係る部分とそれ以外の部分に区分する経理が求められる(地方税法72の5Ⅲ)。なお、指定都市等は、人格のない社団等が事業所等において行う事業のうち、収益事業以外の事業に対して事業所税を課すことができない(地方税法701の34Ⅱ)。
(神山直規)