新医療費体系

 昭和18(1943)年に厚生大臣(現厚生労働大臣)が医師会などの意見を聴取して診療報酬を定めることとなり、医療行為ごとに単価を設定する定額単価方式に変更された後、昭和23(1948)年に診療報酬の審査・支払いを円滑に行うために社会保険診療報酬支払基金が創設され、昭和25(1950)年には診療報酬の内容や点数について審議・答申する厚生大臣(現厚生労働大臣)の諮問機関として中央社会保険医療協議会(中医協)が設置され、保険診療の範囲の拡大と報酬の引き上げが図られた。その後、昭和33(1958)年に1点単価を10円とし、診療報酬改定の際は1点単価を固定したまま、医療行為について点数を変更していく現行の方式として導入されたものである。1点10円の甲表(医師の技術を重視する観点から手術等の点数を託する一方、投薬等の点数を低くするとともに、初診や入院の際の投薬、検査料は初診料や入院料に含める)、乙表(投薬料・注射料について使用薬剤の価格にかかわらず技術料は定額とし、「物と技術」を分離したほかは、従来の点数表どおり)という形で構成されていたが、平成6(1994)年に1つの点数表にまとめられた。
(上村知宏)