消費生活協同組合会計基準

 昭和60(1985)年11月に日本生活協同組合連合会(日生協)によって制定された。この会計基準は、日生協がもともと定めていた「統一財務諸表様式」、「統一勘定科目」、「決算処理指導方針」を引き継ぐ形で、日生協の要請を受けて生協会計基準委員会(当初委員は委員長小川洌早稲田大学教授以下、公認会計士4名、大学教授2名、日生協職員1名)が策定したものである。会計基準は、経済的・社会的情勢の変化への対応の必要性に基づき、商法(当時)や企業会計原則等の会計諸規則への準拠を念頭に置き、会計実務のみならず、監事監査の指針あるいは公認会計士や税理士が生協を指導する指針としての役割が期待された。会計基準は、昭和60年11月以来、平成3(1991)年、平成6(1994)年、平成9(1997)年、平成12(2000)年と改定が行われ、平成18(2006)年12月までに5回の改定を行った。平成18年12月の改定作業を経て平成19(2007)年1月から適用された会計基準は、「第1.総論」、「第2.事業報告書」、「第3.貸借対照表」、「第4.損益計算書」、「第5.付属明細書」、「第6.剰余金処分案又は欠損金処理案」、「第7.金額の表示の単位」、「第8.年間総事業高が300億円未満の生協」、「第9.公告」からなる。また別表として、事業報告書・貸借対照表・損益計算書・剰余金処分案・欠損金処理案・附属明細書のひな型が示されるとともに、勘定科目内訳表・注記事項に必要な取引とその注記内容が示されていた。最後の改定と時を同じくして、生協法の改正検討が行われ、平成19年5月に改正生協法が公布された。また平成20(2008)年3月に生協法施行規則が改正され、同年4月から施行された。同法施行規則には、生協会計基準に準拠した会計に関する基準が取り入れられたことから、平成20年に廃止された。
(大原昌明)