準則主義

 法人の設立方式の考え方の1つであり、一般社団・財団法人、株式会社などが対象とされ、法律上の要件を満たしているかぎり、主務官庁の関与を経ることなく当然に設立が認められるため、規制がもっとも緩い方式である。その他の方式としては、許可主義、認可主義、認証主義がある。許可主義とは、旧民法34法人が対象で、設立に主務官庁の個別的な許可を必要とする方式である。主務官庁には許可をするかどうかに関する裁量が認められており、一般的な禁止を前提にしてこれを個別の許可によって解除するというものであるから、設立後の規制も厳しく敷かれるのが通常である。認可主義とは、学校法人、医療法人、社会福祉法人などが対象で、主務官庁の個別的な認可を必要とする点では許可主義に近い方式であるといえるが、主務官庁には認可するかどうかの裁量がなく、法律が定める要件を満たしていれば認可しなければならないという違いがある。認証主義とは、宗教法人、NPO法人などが対象で、設立のための要件が緩く、主務官庁は要件の確認と認証を行うだけという方式である。なお、平成20(2008)年の「公益法人制度改革」においては、主務官庁制・許可主義が廃止となり、法人の設立は登記のみで可能となる準則主義が採用された。
(小川光夫)