主務官庁

 行政事務の遂行において権限をもつ官庁を指す。非営利法人とのかかわりにおいては旧公益法人制度における主務官庁制において大きな役割を果たしていた。旧公益法人制度の根拠法である旧民法の規定においては、旧公益法人の設立についての許可および指導監督に関する権限は主務官庁に与えられていた。この場合の主務官庁とは、公益法人の目的・事業に関連する事務を所掌している内閣府および中央官庁を指し、その目的・事業が複数の中央官庁の所掌に関連する場合には、それらの中央官庁と共管して主務官庁となっていた。当該制度において主務官庁の権限は、政令の定めるところにより、国に所属する行政庁に委任したり、都道府県の知事その他の執行機関が当該権限に属する事務を処理することができ、公益法人の設立許可、指導監督等に係る事務を実際に担当している行政庁は所管官庁と呼ばれ、実際に設立の許可や指導監督を行う所轄庁の相違により国所管の公益法人と都道府県、都道府県教育委員会所管の公益法人が存在した。
(古市雄一朗)