受診時定額負担

 外来患者の窓口負担に初診・再診を問わず一律上乗せすることである。社会保障財源確保のため、医療費の自己負担以外に窓口負担を上乗せする制度として度重なる検討が行われてきたが、低所得者や、通院回数の多い患者にとって負担が増えるほか、定額負担上乗せは受診抑制に繋がり、定期診断が必要な患者が通院を控えるおそれがあるなどの反対意見も多く、導入されていない。一方、保険医療機関相互間の機能の分担および業務の連携のさらなる推進のため、平成28(2016)年度から一定規模以上の保険医療機関において、紹介状なしで受診した患者から定額負担の徴収を責務とすることとした。対象範囲は拡大傾向にあり、令和2(2020)年度の診療報酬改定においては、特定機能病院および一般病床200床以上の地域医療支援病院が対象となっている。
(上村知宏)