受援力

 災害等が発生した際、被災地が外部の自治体やNPO、ボランティアなどからの支援を受け入れ、その力を十分に発揮してもらうためには、被災地の側の受入れ体制の整備が必要となる。このような支援受入れのための環境づくりや、円滑な受入れに必要となる知恵といった支援を受ける方の側に必要とされる力を「受援力」と呼ぶ。災害復興にあたってはNPOやボランティアなど支援を行う側の「支援力」に注目が集まりがちだが、被災地の側の体制が整っていない場合、被災者のニーズが分からず適切な支援が届けられなかったり、支援者と受援者のミスマッチが生じたりする。さまざまな災害を通じて、支援力のみならず地域の受援力の重要性の認知度も徐々に高まってきており、国もパンフレット(内閣府「地域の『受援力』を高めるために」、[2000])を作成するなど周知に努めている。
(澤田道夫)