集団浅慮

group think
 集団による意思決定は、多様な知識や見解を用いる可能性が高まるため、より合理的な結論に導くことができると思いがちである。しかし、実際には十分な知識や経験をもった集団が非合理で誤った意思決定を行ってしまうことがある。集団浅慮(グループシンク)とは、集団のメンバーたちが意見の統一に熱心になるあまり、コンセンサスをつくらねばならないという圧力によって、さまざまな行動の選択肢の現実的評価やとっぴな意見、少数派の意見、不人気な意見の十分な表出が妨げられる現象である。集団浅慮に陥りやすい要因には、①集団の団結度の高さ、②外部からの孤立、③偏向のないリーダーシップの欠如、④秩序だった手続きを要請する規範の欠如、⑤集団のメンバーの経歴やイデオロギーの同質性、⑥より良い解決策の出現を期待できないような、外的脅威による強いストレスの存在、⑦自尊心の一時的な減退、⑧集団内外にとってとりわけ重大な意思決定の状況、⑨時間的プレッシャー、などがあげられている。これらの要因は、非営利組織の場合も無視できないものである。特定の問題意識をもってつくられた非営利組織の場合、団結度が高くなることや、類似の経歴や考え方をもったメンバーが集まる可能性もある。集団浅慮を起こす兆候としては、①自分の集団は不敗・不滅であるという幻想、②自分の集団は倫理観が備わっているという過信、③不都合な情報の割り引いた解釈や歪曲などの集団的なこじつけ、④他の集団に対する偏見、⑤自分の集団の合意からの逸脱を自発的に避けようとする自己検閲、⑥全員の意見が一致しているという幻想、⑦集団の意見への直接的な同調圧力、⑧不都合な情報や批判から集団を守ろうとするメンバーの出現、などの特徴が集団に見出される。集団浅慮を起こす兆候は、集団で意思決定をするうえでのつぎのような結果に結びついてしまう。①代替案に関する調査不足、②目標に関する調査不足、③選好された選択肢に伴うリスクの調査不足、④初期に退けた案の再検討不足、⑤情報収集の手抜き、⑥手元の情報を都合よく選択的に処理する誤り、⑦状況の変化に応じた臨機応変なシナリオを伴う計画をじっくりと練り上げないこと、である。集団浅慮に陥った集団は、このような意思決定上の欠陥によって、非合理で誤った意思決定をしてしまう。
(深山誠也)