収支計算書(宗教法人)

 宗教法人法上、①収益事業を行っている法人、②年収が8千万円を超える法人、③収支計算書を作成している法人のうちいずれかに該当する法人は、毎会計年度終了後3か月以内に収支計算書を作成し(宗教法人法25Ⅰ)、事務所に備え置き(同法25Ⅱ)、所轄庁に提出しなければならない(同法25Ⅳ)。収支計算書の作成方法や様式について、宗教法人法は特に定めを置いていないが、文化庁の「宗教法人運営のガイドブック」や日本公認会計士協会の「宗教法人会計の指針」は様式等を明らかにしており、両者の様式に基本的な相違はない。「宗教法人会計の指針」によれば、収支計算書とは「当会計年度におけるすべての収入及び支出の内容を明瞭に表示するもの」であり、収入の部と支出の部から構成される。収支の内容を経常的なものと経常的以外のものに区分して、経常収支の部と経常外収支の部に区分して表示することも提案されている。宗教法人の活動は、本来、他の非営利法人と同様に、会計年度前に決議機関の承認をえた活動計画を基に作成された収支予算に基づいて行われるものであり、その収支予算の執行状況を明らかにする計算書が収支計算書である。それゆえに、収支計算書は収支の予算額と決算額を対比して表示する形式を採用している。
(尾上選哉)