従業員満足

 従業員の組織に対する満足度である。従業員満足を向上させるためには動機づけ(モチベーション)が大きく影響を及ぼす。従業員満足はMaslow, A.H.(マズロー)の「自己実現理論」、Herzberg, F.(ハーズバーグ)の「二要因理論」に基づいて説明されてきた。マズローの自己実現理論では「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」とし、5段階(生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求)で人間の欲求を理論化した。ハーズバーグの二要因理論は、「動機づけ要因」と「衛生要因」があることを示した。この2つの理論は、生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求が衛生要因に、生理的欲求、安全の欲求が動機づけ要因にそれぞれ関連している。特に非営利組織においては有償・無償で組織にかかわる者が混在することもあり、ミッションに基づく活動からの行動本意であり、組織に働く全員が自らの貢献する意欲を高めることが従業員満足度に繋がる。すなわち、非営利組織においてはミッションに向かう行動本意が重要な位置づけとなり、従業員満足度を高めるためには、従業員自らが組織への貢献度を理解し体現している実感が重要な要素となりえる。
(齋藤 渉)