非営利法人は、収益事業から生じる所得についてのみ課税されるので、収益事業と収益事業以外の事業から生じる所得に関する経理を区分して行わなければならない。この区分経理は、たんに収益および費用に関する経理だけでなく、資産および負債に関する経理についても行う必要がある。なお、非営利法人が収益事業部門から収益事業以外の事業部門へ金銭その他の資産を支出した場合には、その支出した金額も収益事業に係る寄付金の額とみなして、通常の寄付金に含めて寄付金の損金算入限度額の計算を行うことになる。非営利法人は、収益事業を営まない場合であっても原則として、事業年度終了の日の翌日から4か月以内に損益計算書または収支計算書を、その事業年度終了の日におけるその非営利法人の非営利法人の主たる事務所の所在地の所轄税務署長に提出しなければならないが、収益事業を営んでいる非営利法人は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内に、確定した決算に基づき、納税地を所轄する税務署長に法人税の確定申告書を提出する必要がある。
(越智信仁)