社会福祉基礎構造改革

 少子高齢化、核家族化の進展、障害者の自立と社会参加の進展などにより、社会福祉へのニーズの拡大・多様化に対応するために、これまでの社会福祉に関する共通基盤を大幅に見直した平成12(2000)年に行われた一連の改革のことをいう。改革での基本方針は、①サービス利用者と提供者の対等な関係の確立、②利用者の多様な需要への地域での総合的な支援、③利用者の幅広い需要に応える多様な主体の参入、④信頼と納得がえられる質と効率性の向上、⑤情報公開などによる事業運営の透明性の確保、⑥公平かつ公正な費用負担、⑦住民の積極的かつ主体的な参加による地域に根ざした個性のある福祉文化の創造、の7つである。福祉サービスを提供する事業者とサービス利用者を対等な立場であると位置づけ、利用者の選択と契約によるサービス利用を原則とし、福祉サービスの多くが「措置から契約」へと移行した。また、平成12年に施行された社福法4により「地域福祉の推進」が示された。「地域福祉」がはじめて法律上の用語となったことにより、利用者にとっての身近な市町村がそれぞれの地域のニーズに即した福祉の展開が目指されている。
(小口将典)