社会福祉

 社会福祉は大きく3つに分けることができる。1つは「価値」である。社会福祉とは社会の「幸福」を追求し、人々が幸せに暮らせるより良い社会を目指すための基本的な社会福祉の概念がある。福祉とは英語でウェルフェア(welfare)と呼ばれており、ウェルは「良い」という意味をあらわしており、フェアは「状態」などの意味をあらわしている。つまりウェルフェアとは「良い状態(wellbeing)」という意味をあらわしている。ここで指しているいる良い状態とは生活の安定と環境と個人を尊厳する社会のあり方を意味している。個人の主観的な幸福ではなく社会全体としての幸福である。2つは「制度・政策」である。日本国憲法第25条では「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」とあるように、社会福祉とは人々がもつ権利として、児童福祉、障害者福祉、老人福祉などの具体的な制度や政策、法律およびそれらに基づいて展開されている。3つは「実践」である。社会福祉の実践とは専門職による支援から、家族やボランティア、地域住民の支え合いなどさまざまな実践がある。社会福祉はこれら3つの要素が柱となり、互いに影響し合って成り立っている。
(小口将典)