社会的弱者

 社会のなかでその構成員として存在しながら、大多数の他者と較量すると、著しく不利な状況や不利益な状態に置かれる者(個人あるいは集団)をいう。このような不利な状況は身体的特徴や社会集団のなかで学歴、ジェンダー、所得、健康、年齢、生活形態、社会的スキル等の有無による差別等、その他さまざまな要因によってもたらされる。発言力が限定され、他の多くの人々に比べて、その生活の質において著しく不利な立場に置かれる場合もある。社会的弱者とは大きい括りの概念であり、さらに細分化することによってそれぞれの問題をより深く炙り出すことができる。たとえば、学歴によって不利が生じることもあり、学歴を理由にして発言力や何らかの機会を奪われ、進出ができない場合も社会的弱者である。また、ジェンダー差別に関しては、男性差別、女性差別、LGBT差別等があり、賃金や勤務時間などの差があり、これが社会的に認められていて、労働者側が求めてもそれが認められることのないような状況であれば社会的弱者とされることもある。
(鷹野宏行)