市民ファンド

 市民から集めた寄附を市民が運用し、市民による非営利活動に助成する非営利組織やその事業のことをいう。「国土形成計画(全国計画)」(国土交通省、平成27[2015]年8月)では、地域づくりは、「自助、自立を第一としつつも、自助、共助、公助のバランスをとること」が重要と指摘している。近年、地域コミュニティの弱体化を背景に、NPO等多様な主体が共助にかかわる活動を担うなかで、資金確保が継続的な実施の重要な課題の1つになっている。日本では、欧米のような寄附文化の基盤がないため、市民ファンドに期待が集まり、「新しい公共支援事業の実施に関するガイドライン」(内閣府、平成23[2011]年2月)の指摘を受け、市民ファンドが数多く設立された。その特徴は、市民から集めた寄附を、市民が運営して、市民の活動に助成するところである。
(八島雄士)