児童虐待

 平成12(2000)年に児童虐待の防止等に関する法律(平成12年法律第82号)が、「児童に対する虐待の禁止、児童虐待の予防及び早期発見その他の児童虐待の防止に関する国及び地方公共団体の責務、児童虐待を受けた児童の保護及び自立支援のための措置等を定める」ことを目的として施行された(児童虐待の防止等に関する法律1)。この法律では、児童虐待を、「身体的虐待」:児童の身体に外傷が生じ、または生じるおそれのある暴行を加えること、「性的虐待」:児童にわいせつな行為をすることまたは児童をしてわいせつな行為をさせること、「ネグレクト」:児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食または長時間の放置、保護者以外の同居人による身体的虐待・性的虐待・心理的虐待の放置、その他の保護者としての監護を著しく怠ること、「心理的虐待」:児童に対する著しい暴言または著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力、その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うことと定義された(同法2)。さらに、児童福祉施設をはじめとする子どもの福祉に職務上関係のある者は、「児童虐待を発見しやすい立場であることを自覚し、児童虐待の発見に努めなければならない。」(同法5)、「学校及び児童福祉施設は、児童及び保護者に対して、児童虐待の防止のための教育又は啓発活動に務めなければならない。」(同法5Ⅲ)と定められている。
(小口将典)